掠文庫『石川啄木詩集』
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■反歌 NO.10
白村が第二の愛児笑むらむかはた 泣くらむか聞かまほしくも。 なつかしき我が兄弟よ我がために 文かけ、よしや頭掻かずも。 北の子は独逸語習ふ、いざやいざ 我が正等よ競駒せむ。 うつらうつら時すぎゆきて隣室の 時計二時うつ、いざ出社せむ。   四十年九月二十三日       札幌にて啄木拝 並木兄 御侍史
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